移動通信の歴史とキャリアアグリゲーション・MIMO技術による高速化

近年、スマートフォンやWifiルーターなどの普及により、1箇所に留まることなく音声通信やデータ通信を利用できる時代となりました。その基盤をを支えているのが、モバイルコミュニケーションと呼ばれる移動通信の技術。現在でも、各通信事業者からは続々とより高速で安定した移動通信サービスが提供され続けています。その高速化を留めることなく実現可能としているキャリアアグリゲーションやMIMOの技術について、移動体通信の概要からまとめてみました。

1.移動体通信(モバイルコミュニケーション)概要

移動体通信とは、移動可能な通信端末を使用して行う通信の総称で、モバイルコミュニケーションとも呼ばれています。現在普及しているスマートフォン、wifiルーターや公衆無線LANを使用するモバイルノートパソコンも、この通信技術を使用して音声通信やデータ通信を行っています。
移動体通信は、1980年代に実用化されてからこの30年あまりの間に、より高速で安定した通信システムへと変化を遂げてきています。今では、私達の生活になくてはならない存在と言えるでしょう。

移動体通信の歴史

日本では、1985年に初のポータブル電話機『ショルダーフォン』がNTTより発売となりました。今ではお笑いのネタにも使われている、肩から掛けるタイプの大きな携帯電話です。このショルダーフォンで使われていたのが、1Gに位置するアナログ式の通信技術です。
その後、機器の軽量化や移動体通信技術の改良が続き、2GのPHS、3Gを使用した携帯電話、4Gで高速データ通信可能なスマートフォンやモバイルノートパソコンへと、金銭的にも仕様性能的にも手軽で便利な存在へと変貌を遂げました。

移動体通信の仕組み

携帯電話やスマーフォンなどでの移動通信では、各端末から無線で発せられたデータを最寄りの基地局で受取り、そこから有線や無線で各施設や装置を通した後、送信先の最寄りの基地局へと送られ、各端末へと届けられます。
広いエリアを移動しながら音声通話やデータ通信をする場合でも、現在ではハンドオーバーという技術で基地局を切り替えながら使用できるため、途切れることなく通信を続けることができます。
このハンドオーバーの技術も、送受信の技術向上や基地局数の増加などにより、より快適なモバイル通信の実現の一端を担っています。

移動体通信の種類

携帯電話やスマーフォンなどで使用する移動通信には、新しいもので光回線と同レベルでの高速通信が可能なLTE-AdvancedやWiMax2があります。これらは4Gという新しい通信規格の世代として位置づけられています。前の世代に位置する3GのFOMAや2GのPHSも現在まで使用が続いていますが、4G対応の端末機器増加などにより使用エリアや使用目的が絞られてきています。

移動体通信の歴史と種類

3G(IMT-2000:W-CDMA方式/cdma2000方式)
【速度】最大2Mbps
【時期】2001年10月~(FOMA)
【特徴】2Gから高速なデータ通信やビデオ通話が可能に

3.5G(CDMA2000 1X/HSDPA)
【速度】数Mbps~数十Mbps
【時期】2003年10月~(CDMA2000 1X WIN)
【特徴】3Gからより高速化

3.9G(LTE / AXGP / WiMax / モバイルWiMax)
【速度】LTE:100Mbps/50Mbps
【時期】2010年頃~
【特徴】キャリアアグリゲーションが始まりより高速に

4G(LTE-Advanced / WiMax2)
【速度】
LTE-Advanced:1Gbps/500M
WiMax2:300Mbps/112Mbps
【時期】2012年2月頃~
【特徴】キャリアアグリゲーションが標準化し、高速通信が通常化

WiMax2.1(WiMax2+)
【速度】110Mbps/10Mbps
【時期】2013年10月頃~
【特徴】UQコミュニケーションズのサービス。移動しながらでも上り110Mbpsの速度を実現

移動通信の今後

ドコモ・au・ソフトバンク各キャリア共に、2020年のサービス提供を目指して次世代移動通信システム『5G』の研究開発に取り組んでいます。

情報参照・引用元
年代流行 携帯電話の歴史
ソフトバンクモバイル 通信・エリア つなが仕組み
IT用辞典 e-Word IMT-2000
KDDI 用語集 通信サービス 3.5G
KDDI 用語集 通信サービス 3.9G
IT用辞典 e-Word 4G
IT用辞典 e-Word Wimax2+

 

2.移動体通信のキャリアアグリゲーション

キャリアアグリゲーションとは、4G以降(LTEより)の異なる周波数帯のバンドを複数組み合わせることより、高速な通信を実現する技術です。
組み合わせる際には3GPPという国際団体へ規格文書を提出する必要があり、時間をかけて評議され実施へと至ります。対応機器の開発なども伴うため、実用化には更に時間がかかります。

キャリアアグリゲーションの歴史

キャリアアグリゲーション技術は3Gの時代から行われていましたが、LTEから4Gへと移行するなかでより実用化されてきました。現在ではLTEやLTE-Advanced、WiMax間でのキャリアアグリゲーションが進んでいます。

現在実現しているキャリアアグリゲーションの例

■Wimax2+(110Mbps)プラスWimax2+(110Mbps)=220Mbps
■Wimax2+(110Mbps)プラスWimax2+(110Mbps)au4GLTE(150Mbps)=330Mbps
■LTE(75Mbps)プラスLTE(75Mbps)プラスLTE(112.5Mbps)=262.5MBps

キャリアアグリゲーションの今後

今後もキャリアアグリゲーションは進んでいくと思われますが、実現には様々な過程や技術面での対応などが伴いますので、キャリアアグリゲーションのみでの新しい速度の高速通信プランがすぐに提供されるということはないでしょう。
しかしながら、キャリアアグリゲーションのみではなく、端末や基地局のMIMO技術やQAM技術の進化により、更なる高速通信プランが提供され始めています。
次の3では、そのひとつであるMIMO技術についてまとめています。

情報参照・引用元
IT用辞典 e-Word キャリアアグリゲーション

3.移動体通信のMIMO(マイモ)技術とは

移動通信のMIMO技術は、キャリアアグリゲーションと混同されがちですが、全く異なります。
しかしながら、どちらも移動通信の速度をあげるための技術であり、同時期に開発が進んでいるため同時に取り上げられることが多いという共通点があります。
また、MIMO技術とキャリアアグリゲーションを同時に端末やサービスに取り入れることで、より高速な移動通信を実現させています。

キャリアアグリゲーションとMIMOの違い

MIMOは送信機と受信機の双方に複数のアンテナを設置し、同時に複数の電波をキャッチして
送受信の速度をあげる技術です。
キャリアアグリゲーションは、異なる周波数帯を組み合わせて速度をあげる技術です。

2×2MIMOと4×4MIMO

2×2MIMOは送信機と受信機双方に各2本ずつのアンテナを設置する手法で、4×4MIMOは双方に4本ずつのアンテナを設置する手法です。もちろん4×4MIMOのほうが送受信できるネットワークが多いため、速度もあがります。
■Wimax2+の4×4MIMOで220Mbps

MIMO技術とキャリアアグリゲーションとの組み合わせ

現在のMIMO技術とキャリアアグリゲーショの組み合わせは、以下のような高速通信を生み出しています。
■Wimax2+プラスのキャリアアグリゲーションプラス4×4MIMO=440Mbps
※2016年12月にUQmobileより発売のWi-FiルーターSpeed Wi-Fi NEXT WX03にて使用可能の予定。

MIMO技術とキャリアアグリゲーションとの組み合わせの今後

2017年にドコモより、LTEのキャリアアグリゲーションと4×4MIMOの技術を組み合わせた国内最速となる682Mbpsに対応したスマートフォンとwifiルータ端末の発売が予定されています。

情報参照・引用元
BroadWiMax通信 WiMaxの通信モードキャリアアグリゲーションと4×4MIMOの違い
NTTdocomo お知らせ 報道発表資料 2016-2017年冬春 新商品13機種を開発・発売

まとめ

移動体通信は、これまで様々な経緯と技術の革新を経て、現在の高速通信を可能としています。
その技術は確実に私達の生活をより多彩で豊かなものへと変えてきていると実感されている方も多いはずです。
来年発売には、光回線のにも劣らない速度の端末が発売予定です。このような端末の出現により、これまで不可能だった移動中のアクションが可能になるかもしれません。
今後も移動通信技術はキャリアアグリゲーションやMIMO技術の進歩と合わせながら、より高速なモバイルコミュニケーションを実現していくことでしょう。このような技術の革新を予測しながら、まだ見ぬ移動通信の未来へ想像力を働かせましょう!

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  • MIMO