本格始動!通信規格LoRaWAN(ローラワン)で産業システムが変わる!?

IoT時代に突入し、通信技術も進化してきました。そして今年、LPWAネットワークの規格のひとつであるLoRaWANを利用したビジネス実証環境の提供が行われています。そこで今回は、身近な無線ネットワークBluetoothより広範囲で利用ができることで注目されている新しい通信規格LoRaWANの概要や活用方法をおさらいしていきましょう。

LoRaWANとは?

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LoRaWANとは、IoT向けの無線ネットワーク接続サービスLPWAの通信規格のひとつの名称です。LPWAとは【Low-Power-Wide-Area】の略で、その名の通り、低消費電力で広範囲エリアをカバーできる無線のネットワークを指します。

生活インフラ、産業、医療、防災、交通やそれ以外の膨大な数のモノやシステムとネットを繋げていくには、端末を広範囲でカバーできるネットワークが必要不可欠。こういった課題を解消し、活用に適しているLoRaWAN は、とくにIoT分野で大きく需要が見込まれています。
IoT時代到来に向け、2016年5月から株式会社ソラコムがLoRaWANを利用した通信事業の提供を発表しており、すでに2017年2月ではサービスが利用されています。

先日でも、福岡県と北海道でLoRaWANを使ったビジネス実証環境の提供が行われており、本格的に活用の場が広がり始めてきました。

出典:LoRaWANを使ったビジネス実証環境、NTT西日本などが福岡市で、KDDIなどが北海道で提供へ

LoRaWANの4つの特徴

日本ではライセンスが不要

日本では資格の取得不要のため、利用するにあたって手間がありません。世界では各国の電波法が異なる為、LoRaWANは地域ごとに違う周波数帯が使われています。そのため、日本でそのまま外国製品を使用することはできません。

日本:920~925MHz
ヨーロッパ:867~869MHz
北米:902~928MHz
中国:470~510MHz

長距離通信が可能

920MHzのサブギガ帯域が利用されているので、最大 10km 程度の長距離通信が可能です。しかし通信速度は100bps~数十kbps。3GやLTEと比較するとスピードは遅いです。

サブギガ帯:微弱な電波を数km~数十kmまで飛ばすことが出来る
2.4GHz帯:数十から数百メートルまで。主にWi-FiやBluetooth

低消費電力

通信コスト以外でかかっていたバッテリーなどの負担低減ができます。

技術仕様をオープンにしている

オープンソースな環境が整っているため、詳細はネットでも検索ができます。その気になれば自分自身で知識を蓄えてLoRaWANを製作することも可能です。

LPWAの種類

LPWAには様々な種類の規格があります。その中で、日本で使われている代表格は以下の3つです。

SIGFOX

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出典:KCCS

推進団体・企業:SIGFOX
利用周波数帯域:Sub-GHz帯
電波免許:不要
通信距離:最大で50Km前後
通信速度:約100bps

LoRaWAN

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出典:intelilight

推進団体・企業:LoRa Alliance
利用周波数帯域:Sub-GHz帯
電波免許:不要
通信距離:最大で15Km前後
通信速度:約250bps

NB-IoT

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出典:u-blox

推進団体・企業:3GPP
利用周波数帯域:LTE帯
電波免許:要
通信距離:最大で20Km前後
通信速度:約100bps

LoRaWANで変わる産業

LoRaWANの特性を活かし、「広域」「送信データ容量はすくなめ」「省電力で利用したい」という要望とマッチングした分野で期待されています。今後は、農業、交通、運搬、商業施設、ビル、倉庫などの設備監視・制御やトラッキング、ガスや水道メーターの自動検針、防犯、道路、トンネル、線路などのインフラ監視など生活のあらゆるところで活用が進められていくでしょう。

■未来の活用例
農業:収穫時期の検知、温室の温度湿度監視・農作物管理、農地の害獣検知、保管時の鮮度管理

工場: 温度監視、異常検知、カメラ遠隔操作、機械の予知保全、残量検知、レベル計監視

輸送:輸送物の位置情報管理、移動社の位置管理、燃費性能管理、故障検知、渋滞検知などの効率の良いルート検索

スマートシティ:駐車場利用状況の検知、ゴミ集積所の蓄積状況検知・収集ルートの効率化、位置情報を利用した人・物のトラッキング、街灯の遠隔操作やメンテナンス時期の検知

スマートホーム:煙検知、緊急呼出、自動通報、防犯カメラ、ホームセキュリティ、家電の遠隔管理・操作、室内の温度湿度管理、異常検知

まとめ

LoRaWANを使った環境の提供が行われたのはつい最近のことです。IoT化に伴い、国内ではインフラ整備が進んでいますが、システムやセンサーまで電波を飛ばすのが困難な環境もありました。しかし、この通信方式が当たり前に整備されれば、今まで予想できなかった場所でのシステム導入が実現できます。日に日に進化していくIoT。来年にはどれほど進歩しているのか楽しみですね。